海岡監獄日記

このブログはフィクションです。

投獄1日目

ある日突然罪状を渡され、身に覚えのない罪で懲役2ヶ月半が言い渡される。

あれよあれよという間に月日が流れ、来たる3月31日、監獄行きの護送車に揺られ先の不安を胸に俺は瞼を閉じた。

警察に名前を呼ばれ目を開けると既に監獄に着いていた。どうやら都市から外れた敷地一体を監獄の更生施設にしている様で、その中の建物の1つにある大部屋へ連行された。

部屋に入ると、そこには同じように罪を犯した罪人が200人程度椅子に座らせられており、一様に不安を浮かべた表情をしていた。

席につきしばらくすると看守が書類を持って大部屋に入ってきた。前にある壇上に上がり、囚人に向かってこう告げた。

「お前達は今日から囚人だ。それぞれが様々な犯罪歴を持っている。だがそれをいちいち覚えていられるほど看守も暇じゃない。今から配る番号がお前達の今日からの名前だ。」 

そうして配られた番号を見ると893番だった。今日から俺は海岡竜仁ではなく、ただの囚人番号893になったのだ 

 2019/03/31 囚人番号893